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花の育て方Q&A

 

回答者一覧 (50音順。全て詳細本誌P123参照)

大森康雄
大森農場カントリーガーデン代表
加藤弘規
真鍋庭園課長
北條礼子
千歳市のローズショップ「ガーデンプレイス」代表
米田 瞳
サックルズファーム洋ラン担当

11-12月号

P107〜109掲載

 

 
  ランの植え替えで古い鉢を使ってはいけないと言われます。どうしてでしょうか。
札幌市南区 M.Tさん

カトレア
カトレアやファレノプシスの根は自生地では木や岩などに着生する
 素焼き鉢はできれば植え替えの度に新しいものをお使いになった方がよいと思います。 というのも、病原菌などが鉢に潜んでいる場合があるためです。 やむを得ず再利用する場合は塩素系漂白剤などに一晩つけて消毒します。 その後は水洗いしてすぐに使わず、1週間ほどよく乾かしてから使用する方が無難です。
 ランのうち、着生ランと呼ばれるファレノプシスやカトレア、 オンシジウムなどは樹上の風通しのよい場所に自生するもの。 そのため栽培する際もそうした場所を選びます。 素焼き鉢を使うのも、冬季鉢やプラスチック鉢とちがって ごく小さな穴が無数に空いていて、空気が通るためです。 そういった意味でも新しい鉢を使った方がよいのです。 
(米田瞳)
 
 

 
  十勝にプンゲンストウヒを植えて2年。しかし最近緑色が薄くなり、色あせた感じです。
横浜市 T.Mさん

 北アメリカ原産のプンゲンストウヒはその葉色からブルースプルースとも呼ばれますが、 播種してみても本当に青味の強い固体は少ないものです。 9割以上は深緑色か灰緑色の個体が出現しますのでブルースプルースはとても貴重なものと言えます。
 いずれの個体の場合でも本来の色が褪せる原因はいくつか考えられます。 第1に移植などで根をいじった影響です。 移植後1〜2年の間は失った根がまかなっていた栄養や水分の不足が起こります。 当然一時的な栄養不足になりますので、 樹木は自ら古い葉(根元に近い下葉や幹に近い内側の葉)を落葉させ自分を守ります。 この際葉色は白っぽく褪せてきたり黄色く変色したりします。
 第2に植え付けた場所が合っていない場合です。 プンゲンストウヒは日当たりがよく排水性のよい酸性の土を好みます。 日当たりがよければ枝葉は詰まり葉色は濃くなりますが日のあまり差さない暗がりでは枝葉は間伸びし、 葉色も薄くなってしまいます。 また、排水が悪いと根が必要とする空気が入らないために窒息してしまいますので、これも葉色を落とす原因になります。
 第3に病気や虫害による影響です。 トウヒ類には夏場に葉サビ病が着くことがあり、 これにかかると葉色は白っぽくなり後に赤味を帯びて落葉します。 また、アブラムシやハダニが寄生すると吸汁により葉色が薄く褪色します。

 第1の場合、今年の枝が昨年の枝より長く伸びているのであれば根付いている証拠なので、 来春の芽吹き前に庭木用の化成肥料を与えます。 もしも昨年の伸びと変わらないか短くなっているのであれば根付きが悪いことが疑われるので、 第2の場合が考えられます。 再度移植をして日当たりと排水性土壌に環境を変えてあげます。 第3の場合は薬剤散布をして回復を待ちます。 なお度合いにもよりますが、褪色した古い葉が濃い色に再生することはほとんどありません。 健康な新枝で全体が覆われるのを待ちます。
(加藤弘規)
 
 

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